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「旭医だより」と彗星の記録、そして2018年を振り返る [彗星]

今年度、地元の業界誌「旭医だより」の依頼で表紙の写真を2回飾った。会員の活動、短歌や俳句、趣味といったものも含まれるものの、地域の医療に関係する内容が主体の雑誌である。年3回発行中の2回の表紙写真が天体写真ではちょっと片寄っているような気もするが、依頼なので良しとしよう。

●旭医だより(2018年4月、2018年12月)
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今年はジャコビニ・チンナー彗星やウィルタネン彗星といった比較的明るい彗星がみられた。ただ私が見てきた長い尾を引いた明るい彗星は今年も現れなかった。それらの大彗星は、ベネット彗星(1970年)、ウェスト彗星(1976年)、百武彗星(1996年)、ヘールボップ彗星(1997年)などだ。まだ写真撮影はしていない時代のものばかりである。

私が天体写真を撮り始めてから現れた彗星のうち比較的明るく撮影できたものをまとめてみた。

●比較的明るかった彗星(2013〜2018)
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【撮影機材】
・EOS 7D + EF-S 85mm F5.6;パンスターズ2013、レモン2013、ジャック2014
・EOS kiss X3 + EF400mm F5.6L;ラブジョイ2013
・EOS 5D Mark III + Prominar 350mm, F4.0;カタリナ2015、タットル・ジャコビニ・クレサーク2017、ジョンソン2017、アサシン2017
・EOS 6D (HKIR) + Prominar 500mm, F5.6;ジャコビニ・チンナー2018
・EOS 6D (HKIR) + BORG107FL, 624mm, F5.8;ウィルタネン2018


この1年(2018年)

ブログ写真から各月1〜2枚ピックアップして、この年を振り返ってみたい(2018/12/31追記)

【2018年1月:皆既月食 スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン】
2018年1月31日の皆既月食は、スーパームーンかつブルームーンだったことと皆既月食で赤銅色になることからNASAがスーパー・ブルー・ブラッド・ムーンと名付けた。仕事終了後年休を取って、雪の旭川を出発。北見市の隣の端野町は快晴で皆既月食の全課程を撮影できた。

●月食の全経過と地球の影
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【2018年2月:タウシュベツ橋梁、ユキホオジロ】
崩壊が近い言われているタウシュベツ橋。崩壊前にタウシュベツ橋梁と星空を撮影しておきたい。2月16日、Mさんに誘われて急遽一泊二日で糠平に行くことになった。

●タウシュベツ橋梁と冬の星座
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旭川近郊〜東川にユキホオジロがやって来た。車で走行中30〜40羽くらいの白い鳥の群れが飛んでいるのが見えた。「ユキホオジロだ!」。

●ユキホオジロ(奥さん撮影)
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【2018年3月:エゾモモンガ】
幸運にも日中に活動しているモモンガに出くわした。巣で寝ているメスに外からオスが求愛しているように見えた。

●エゾモモンガの求愛
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【2018年4月:クマゲラとイスカ】
4月5日我が家のアイドルだったポメラニアンのボン(リクの母)が15歳で天国に天国に召された。4月8日雪の降る東川で、木の切り株をしきりにつついて樹液をなめるクマゲラに遭遇した。

●樹液をなめるクマゲラ♀
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今年はイスカの集団が比較的長期間東川に居座っていてくれた。4月14日50~60羽のイスカ群れに出くわした。

●イスカ♂と♀
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【2018年5月:もりまち桜まつりとコゲラ】
5月5日「もりまち桜まつり」会場のオニウシ公園で桜に巣作り中のコゲラのカップルがいた。

●桜とコゲラの巣作り
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【2018年6月:新機種導入】
7月31日の火星大接近に備えて、望遠鏡 セレストロンEdgeHD800 (D203mm f2032mm)、ビクセンSXD2赤道儀、CMOSカメラ ZWO ASI290MC、ZWOASI174MC、バーローレンズ テレビューPowermate 2.5x、大気分散補正装置 ZWO ADC、赤外-紫外カットフィルター ZWO IR/UVカットフィルター 1.25"を導入した。

ZWO ASI290MCを惑星用、ZWOASI174MCを月面用とし、FireCaptureで動画画像取得、AutoStakkert!で画像スタック、 RegiStax 6でwavelet処理、StellaImage 8で画像復元する方法を取得した。

●BORG107FLとZWO ASI174MCによる月面撮影;6月22日 月齢8.3
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BORG107FL + 1.4 xテレコン + 1.08x フラットナー使用

【2018年7月:火星の大接近】
7月27日新システムで大接近中の火星、木星、土星を撮影した。旭川(北海道)はシーイングの悪いことが多く惑星面の撮影には適さないと思われるが、この日はシーイングが比較的良かった。

●火星
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●木星
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土星
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【2018年8月:ノゴマ】
月明かりの無い最良条件だったはずのペルセウス座流星群、旭川周辺だけでなく全道的な天候不良のため移動観察も断念した。8月19日小清水原生花園でノゴマ、ノビタキ、ホオアカの幼鳥たちに遭遇した。

●ノゴマ
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【2018年9月:黄道光とジャコビニ・チンナー彗星】
9月21日 3時半ごろ旭川空港近くの農道脇でジャコビニ・チンナー彗星を撮影時、黄道光が見えていた。

●ジャコビニ彗星の撮影と黄道光
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●Giacobini-Zinner彗星/21P
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【2018年10月:EOS 6D (HKIR改造)による赤い星雲】
10月5日深夜、美瑛の青い池第2駐車場で北アメリカ星雲 NGC7000、10月14日士幌町の「ヌプカの里」
でカリフォルニア星雲 NGC1499を撮影した。

●北アメリカ星雲 NGC7000
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●カリフォルニア星雲 NGC1499
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【2018年11月:天体観測用レーザーポインターと428による星雲】
星空の解説用にLaserCheap;500mWグリーン天体観測用レーザーポインターを購入した。11月2日深夜、美瑛の青い池の駐車場で照らしてみた。これは凄い。野鳥用のEF400mm F2.8L IS USM望遠レンズをVixen SXD2赤道儀に取り付けて星雲用に使用してみた。非常に明るく撮影できるものの、F2.8のままでは背景が白っぽくなってしまうため画像処理を要した。

●500mWグリーン天体観測用レーザーポインター
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●428によるNGC2024 馬頭星雲
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【2018年12月:ウィルタネン彗星】
12月に入りウィルタネン彗星(46P)が明るくなっているはずだが、旭川はまったく晴れない。12月8日快晴の帯広の八千代牧場で星空観察会が開かれ、やっと撮影することができた。

●Wirtanen彗星/46P
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なお、月没後には最良の条件となる12月14日のふたご座流星群も天候不良で見ることができなかった。今年は最良の条件だったペルセウス座流星群とふたご座流星群を撮影出来なかったのが残念だった。


●部分日食情報

2019/1/6(日)に全国的に部分日食が見られます。観察には日食専用のサングラスが必要です。北の地方ほど大きく欠けます(札幌42.3%、東京29.9%、鹿児島16.7%)。

    食の開始  食の最大 食の終わり
札 幌 08:46:30 10:13:27 11:47:21
東 京 08:43:48 10:06:00 11:36:34
鹿児島 08:40:28 09:46:30 11:00:33


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