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部分日食 in 旭川 2020/6/21 [日食]

【6月21日(日)】
旭川は日食開始時ころから晴れてきて、日食終了ごろ曇るという奇跡的な状況で部分日食の全課程を見ることができた。自宅のバルコニーで撮影した経時的な写真を示す。

●部分日食 in 旭川 2020/6/21
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撮影機材:BORG107FL1.4 x TELECON GR + 1.08x FLATTENER, 907mm, F8.5, アストロソーラーフィルター, EOS 5D Mark III, 露出1/500秒


ワッカ原生花園(2020/6/25追記)
6月21日(日)の部分日食は午後4時頃開始だったので、午前中はワッカ原生花園に行ってきた。旭川に帰る高速道路の途中のトンネル内で交通事故があり、トンネル内に足止めとなった。しばらくして警察の方からUターンの指示がでて高速を降りた。自宅着は15:30ごろで日食開始時間ににはどうにか間に合った。

●ノゴマ
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●ノビタキ♂
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●オオジュリン♂(奥さん撮影)
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撮影機材:EOS 5D Mark III + Sigma 150-600mm, F6.3, DG OS HSM、奥さんはEOS 7D Mark II + EF400mm F5.6L USM


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母とリクのこと、そしてキレンジャクと部分日食 [日食]

慌ただしい12月だった。1年ほど前から闘病中だった母が20日に札幌の病院で93歳で亡くなった。小児期病弱で身体が小さくて学校を休みがちの私に「山椒は小粒でぴりりと辛い」といつも励ましてくれた。やさしい母だった。ポメラニアンのリクが24日に11歳10ヶ月で亡くなった。4月頃から時々喘息様症状や不整脈がでていた。病状悪化で10日から動物病院に入院していたが改善しなかった。合掌。

●リク(2019.10.10撮影※)
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※当方のお腹の上にやって来たリク

【キレンジャクとキクイタダキ】
【12月20日(金)】
何年かごとに旭川にキレンジャクの集団がやってくる。12月20日キレンジャクの一群が自宅横の東部中央公園のナナカマドの実を食べにやって来た。

●キレンジャクがやって来た(Sigma 150-600mm, 600mm, F6.3, DG OS HSM + EOS 5D Mark III;奥さん撮影)
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【12月25日(水)】
キトウシ森林公園でキクイタダキとハイタカを撮影してきた。

●キクイタダキ(Sigma 150-600mm, 600mm, F6.3, DG OS HSM + EOS 5D Mark III;以下同じ)
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●ハイタカ
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【12月29日(日)】
今日も東部中央公園にキレンジャク群が来ていた。

●キレンジャク
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【薄曇りの部分日食】
12月26日インドネシア〜ガム島で金環日食が見られた。当初、金環日食ツアーに参加予定だったが、母の病状が良くないためツアーはキャンセルしていた。日本では部分日食になる。旭川は薄雲越しながら部分日食が見られた。部分食の最大は15:30頃だったが、その15分ほど前に厚い雲に隠されてしまった。全国的には天候不良だったようだから、ここまで見られたのは幸運だったようだ。 

●部分日食の撮影;自宅バルコニーにて
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●薄雲越しの部分日食(2019.12.26 14:55:30 BORG107FL, 1.4 x TELECON GR + 1.08x FLATTENER, 907mm, F8.5, EOS 7D Mark II)
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●部分日食の経過
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オムサロ原生花園ふたたびとネットでチリ皆既日食 [日食]

【6月25日(火)】
夜、晴れた。バルコニーに望遠鏡をだして木星を観察してみるとシーイング不良でユデダコ状態だった。せっかく大赤斑が見えるので一応撮影。土星も同様の状態だったがカッシーニ空隙は写った。

●木星の撮影風景;自宅バルコニー
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●木星と土星 木星 2019/6/25 23:09:21 土星 2019/6/25 23:45:53
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Celestron EdgeHD 800, Televue Powermate 2.5x, ZWO ASI290MC, FireCapture 2.5, 木星 10000フレーム, Autostakkert!2.6.8で40% stack, 土星 3000フレーム, Autostakkert!2.6.8で40% stack, Registax6 wavelet, PS CS5色調調整

ここまで前回のブログ内容とほとんど同じ(爆)。

【6月29日(土)】
天候が良ければ士幌のヌプカの里で星空観察会に参加予定だったが、曇り〜雨で中止となった。映画「新聞記者」を観に行った。ほとんど報道されていない実際に起きた官邸の犯罪を思わせる部分があるため、全国的に配給されるか分からなかったが、旭川でも公開された。興行収入ランキングでトップ10に入ったとのことなので、かなり観られているらしい。

【6月30日(日)】
朝、天気予報は曇り〜雨だったが、雲が切れて日が差してきた。先週に引き続きオムサロ原生花園に向かった。オムサロ原生花園の野鳥たちはこれから去って行くので、もっと撮影しておきたい。現地には午後1時ごろ着いた。

●オムサロ原生花園
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↑奥さん   

今回も野鳥たちが遠かった。当方の400mm望遠は力不足で奥さんのFinePix S1だのみとなった。

●奥さんFinePix S1で撮影中
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●ベニマシコ(FinePix S1;奥さん撮影)
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●オオジュリン(FinePix S1;奥さん撮影)
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このオオジュリンは何故か逃げなくて当方も近くで撮影出来た (^^)

●オオジュリン(EOS 5DMark III + EF400mm F5.6L USM)
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●ノゴマ(同)
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【7月3日(水)】
当方参加予定だったアルゼンチン7日間の皆既日食ツアーコースは中止となってしまった。Webで皆既日食中継をみた。中継地のチリ La Sillaにおける皆既日食は日本時間で5:39:24〜5:41:15の1分51秒だった。雲一つない快晴である。これまでに皆既日食で遠征した5回は薄雲ごしまたは雲越しの観察だったから、もし今回参加できていたら初めての快晴の皆既日食になったのかもしれなかった。

●ライブ中継されたチリ皆既日食2019
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夜、晴れてきた。シーイングはあまり良くないが、木星は比較的良く写った。土星はシーイングの悪化により撮影できなかった。

●木星 2019/7/3 22:10:19
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Celestron EdgeHD 800, Televue Powermate 2.5x, ZWO ASI290MC, FireCapture 2.5, 10000フレーム, Autostakkert!2.6.8で40% stack, Registax6 wavelet, PhotoShop CCで色調調整


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部分日食2019とウィルタネン彗星 in 帯広 [日食]

部分日食編

【1月5日(土)】
2019年1月上旬はまだ十分明るいウィルタネン彗星が見られ、1月6日には部分日食も起きる。1月5日、1日も晴れない旭川に見切りを付け、帰省中の娘と娘の長男と奥さんを連れて、毎日晴れている帯広に向かった。帯広に着いてホテルにチェックイン後、日食観察地のロケハンに行った。観察地は帯広川の堤防にした。午後4時、観察場所は快晴だった。

●日食観察地:帯広川堤防
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1月5日夜、八千代カウベルハウス近くの農道でウィルタネン彗星を撮影した。天頂近くのウィルタネン彗星の導入に手こずって時間を費やした。素晴らしい星空が広がっていたが、氷点下10℃以下の寒さに負けてこれ以上の撮影は断念した。ちょっと惜しい気もするが、主目的は日食なので早めに引き上げた。

●ウィルタネン彗星の撮影:八千代の農道にて
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●ウィルタネン彗星/46P 2019.1.5 23:16:53:52 EOS 6D(HKIR) + BORG107FL, 1.08X flattener, 624mm, F5.8, ISO3200, 露出10分(2分 x 5枚;SI8にてコンポジット, 1.2x trim)
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【1月6日(日)】
昨夜は快晴だったし、天気予報も晴れになっていたからすっかり安心していた。ところが、朝、外を見て愕然とした。全天、雲が覆っている。ウソだろうと思いながら、一人観察地に向かった。

●帯広川堤防:日食当日の朝
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7:50 現地に着いた。やはりほぼ全天曇り。一部雲の途切れたところもあったから、一応撮影機材はセットアップした。8:40 日食が始まる直前、太陽のいるところの雲が消えて太陽が顔を出したかと思うと、急速に雲が去っていった。快晴になってしまった。あっという間の出来事だった。あたかも日食を見せてくれるためのような晴れ方だった。慌ててシナリオ通りに撮影を開始した。

●日食撮影機材 左:拡大撮影用、右:連続食分撮影用
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撮影中6〜7人の方から声をかけられた。テレビや新聞でアナウンスされていたためか、「日食ですか」という聞かれ方が多かった。日食用サングラスを余分に用意してあったので、みてもらうと「あっ、本当だ」とか「久しぶりに日食見た」と喜ばれた。

●部分日食の連続食分撮影 2019.1.6 08:46:35〜11:51:35, 5分ごと38枚を比較(明)合成
EOS 5D Mark III + Sigma 20mm, EXDG, F4.0, ISO200, 1/800", 1.2x trim
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●部分日食の拡大撮影 2019.1.6 08:56:41~11:41:41, ほぼ20分ごとの写真
EOS 6D + BORG107FL, BORG107FL, 1.4 x TELECON GR + 1.08x FLATTENER, 907mm, F8.5, ISO250, 各1/1000”
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家族は、寒空で長時間日食を観察するのは大変なのでホテルで食の最大頃に見ることになっていた。

●娘撮影のiPhoneによる部分日食写真 日食用サングラスごしにiPhone 8で撮影した。右はゴースト。
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●日食観測中 (?) の娘の長男
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野鳥の初撮り編

【1月2日(水)】
お正月休みの1月2日午前、キトウシ森林公園に初撮りに行った。曇っていてかなり暗かったので綺麗には撮れなかったが、シマエナガ、ヒガラ、キバシリを撮影できた。

●シマエナガ(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM;以下同じ)
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●ヒガラ
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●キバシリ
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アメリカ皆既日食2017:第3報 観光・探鳥 [日食]

今回参加した西鉄旅行の「大野裕明先生と行くアメリカ皆既日食ツアー」で行われた観光について簡単にまとめた。唯一の自由時間であった2日目にオプショナルツアーに参加したため、探鳥だけの時間は取れなかった。僅かながら、予定された観光地で出遭った野鳥等についても記載する。

【8月20日(日)】
皆既日食前日オプショナルツアー「マウント・フッドとフッド・リバー1日観光」に参加した。朝8:00に出発、マウント・フッド山(Mount Hood)北側の麓に9:30頃到着した。ポートランド市側からみると富士山のように見えて日系人の間ではオレゴン富士と呼ばれるとのことだが、北側から山頂部を見ると夏期で雪が少ないこともあり、あまり富士山には見えなかった。ここにシマリス(アカシマリス)がいた。

●マウントフッド山
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●シマリス
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マウント・フッド麓にあるフッド・リバー市(Hood River)で1時間弱の自由時間があった。コロンビア川近くまで市内を歩いた。市内にいたスズメは頬が白く眉斑があり、日本のスズメとはちょっと違っていた。

●フッド・リバー駅
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●市内のスズメ
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コロンビア川に面するリバーサイドレストランで昼食後、ウホーターフロントの小径を歩いた。川沿いにある低木の中にアメリカカケスがいた。ぜんぜん逃げないので近くで撮影できた。コロンビア川の上でミサゴが行き来していた。

●コロンビア川とフッド・リバー橋
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●アメリカカケス(奥さん撮影)
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●ミサゴ
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【8月21日(月)】
皆既日食終了後、参加者全員(200人越え、西鉄旅行+セブンカルチャーネットワーク)による昼食会があった。昼食後ただちにバス移動となるため、第4接触の11時41分を撮影後、大急ぎで荷物をまとめた。撮影機材すべてをスーツケースとリュックに入れるのにかなり時間がかかった。昼食会会場にはちょっと遅れて着いた。たぶん、一番最後のほうだったと思う。食事会場で動画チェックして、はじめて動画が撮れていないことに気づいた。皆既日食観察成功の熱気の中で、一人青ざめる。

昼食後バスでポートランドへ移動。道路は日食後のため大渋滞していた。途中、Multnomah Fallsという滝に寄った後、遠回りとなるが混雑していない迂回路を通ってポートランドに向かった。予想より早くポートランド ホリディ・インに到着した。夜遅くの到着予定だったのでレストランが予約できず、幕の内弁当が用意されていた。

【8月22日(火)】
ポートランド空港からソルトレイクシティ経由でアリゾナ州フェニックスに着いた。空港からバスでフラッグスタッフ市(Flagstaff)に向かった。ここからロサンゼルス在住の地元ガイドの小山さんが加わった。長年当地でガイドをしていて、地元事情に詳しいだけでなく、落語家あるいは話しの上手いタレントのような軽妙なトークに驚く。フラッグスタッフ市には17:40着、BLACK BARTSというバンド演奏つきのステーキハウスで夕食会となった。

ここに阪急交通社の皆既日食ツアーの一行も来ていた。阪急交通社のツアーのうち、国立天文台副台長の渡部潤一さんと娘さんが同行するコースの方々だった。大野裕明さんと渡部潤一さんのツーショットとなった。打ち合わせがあった訳でなく、偶然、夕食会場が同じになったらしい。

●夕食会会場で:大野裕明さんと渡部潤一さん
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夕食後ホテル(Best Western Pony Soldier Inn & Suites)にチェックインした。

【8月23日(水)】
朝、バスでホルブルック(Holbrook アリゾナ州東北部)の化石の森国立公園(Petrified Forest National Park)に行った。コロラド川東岸の岩石の表面が多彩に彩られている一帯はペインテッド砂漠(Painted Desert)と呼ばれている。

●化石の森国立公園のペインテッド砂漠(Painted Desert)
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↑ 大野さん

●Blue Mesa
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化石の森国立公園には、化石化した丸太;硅化木がゴロゴロ転がっていた。空と雲の感じが「君の名は。」のワンシーンみたいだった。

●化石の森国立公園の硅化木
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●君の名は。
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●奥さんですけど。
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●硅化木
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昼食後、ウィンスロー(Winslow)にあるメテオクレーター(アリゾナ大隕石孔)へ。直径1.2km、深さ168mのクレーター。5万年前、20〜30mの隕石(隕鉄)の衝突により形成された。

●メテオクレーター(アリゾナ大隕石孔)
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フラッグスタッフ市に戻り、ローウェル天文台(Lowell Observatory)見学。実業家から天文学者に転身したパーシヴァル・ローウェル(Percival Lowell)により1896年に建設された。ローウェルの観測した火星の運河は現在は否定されている。晩年、惑星Xの存在を予測し、その予測計算にしたがってクライド・トンボーが1930年に冥王星を発見した。ステーキハウスでご一緒した渡部潤一先生は、2006年国際天文学連合の「惑星の定義委員会」委員となり、冥王星の惑星からの除外を決定した最終メンバーの1人である。

●ローウェル天文台
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●61cm屈折望遠鏡
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【8月24日(木)】
グランドキャニオンとセドナ観光があった。いずれも雄大な景色に圧倒されたが、ツアーの性格上駆け足になったので、一度はじっくり回ってみたいと思った。グランドキャニオン(Ground Canyon)ではマーサポイント(Mather Point)およびシャトルバスで移動しサウスリム(South Rim)からの絶景を体感した。

●グランドキャニオン;マーサポイント

●グランドキャニオン;サウスリム
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グランドキャニオン近郊で昼食。アメリカでよく見かけた(駐車場などによくいる)カラスより小さい黒っぽい鳥がいた。テリムクドリモドキ♀と思われる。

●テリムクドリモドキ♀(奥さん撮影)
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ネイティブアメリカンの聖地、パワースポットとされているセドナに向かった。途中の駐車場でハチドリ用の密のでる餌台にハチドリが行ったり来たりしていた。

●ハチドリ(奥さん撮影)
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セドナのエアポートメサで景色を撮影し、セドナで短時間ショッピング時間があった。雄大な景色はおもにバスからの撮影となった。

●エアポートメサより
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●レッドロック
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フェニックスまでバスで移動、Holiday Inn Express & Suites Phoenix Downtown-Ballparkに宿泊、8月25日(金)午前3:45バスでフェニックス空港へ。6:00発、ロサンゼルス経由で帰国した。


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アメリカ皆既日食2017:第2報 コロナの画像処理 [日食]

2017年8月21日アメリカオレゴン州ワームスプリングスのカニータリゾートで観察した皆既日食時に撮影した写真について、ローテーショナル・グラディエント法およびR-USM法によりコロナの流線を目的とした画像処理を行った。

【ローテーショナル・グラディエント法】
StellaImage 8(AstroArts)を用いて同じ露出の写真4枚づつをコンポジット後に、回転角0.65, 強度2.9でローテーショナル・グラディエント処理した。元画像はEOS 5D Mark 3 + BORG107FL, 600mm, F5.6, ISO200, 露出1/1000", 1/250", 1/60", 1/15", 1/4", 1"の6段階で撮影した4組の写真(RAW)である。このうち露出1/250秒、1/60秒、1/15秒の3枚を示す。

●皆既日食時のコロナ:ローテーショナル・グラディエント法 
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左:露出1/250秒 x 4枚 2017.8.21 10:19:49〜10:21:03
右:露出1/60秒 x 4枚 2017.8.21 10:19:50〜10:21:05

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露出1/15秒 x 4枚 2017.8.21 10:19:52〜10:21:07(左下の星はしし座α星レグルス)

●5段階露出による合成:ローテーショナル・グラディエント法
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露出1/1000", 1/250", 1/60", 1/15", 1/4"の5段階で撮影したRAW写真をローテーショナル・グラディエント処理(回転角0.65, 強度2.9)後、加算コンポジットした。単純加算では全体的に流線構造が見えるが、個々の写真よりやや不明瞭になった。

【R-USM法】
塩田和生さんにより開発されたR-USM法(回転アンシャープマスク法)により画像処理を行った。元画像はEOS 5D Mark 3 + BORG107FL, 600mm, F5.6, ISO200, 露出1/1000", 1/250", 1/60", 1/15", 1/4", 1"の6段階で撮影した4組の写真のうち、プロミネンスがやや目立った4番目に撮影した写真(Jpeg)を用いた。

大越治・塩田和生著「日食のすべて」(誠文堂新光社2012年3月30日発行)pp131〜134 コロナの画像処理にしたがって処理を行った。PhotoShop CCによりRAW画像での処理を試みたが、回転ぼかしの中心点が求められなかったため、PhotoShop CS5によりJpeg画像で処理をおこなった(θ=10°、γ=90%)。

●皆既日食時のコロナ:R-USM法
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撮影:2017.8.21 10:21:02〜10:21:08(左下の星はしし座α星レグルス)

●皆既日食時のコロナ2:R-USM法 2017.9.21追記
eclさんのアドバイスにより回転ぼかしを3通りで行い、それぞれ加算してみた(θ=4° γ=95%、θ=8° γ=95%、θ=12° γ=95%)
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【皆既日食のハイライト】
R-USM法によるコロナの写真を中心に、第2接触と第3接触のダイヤモンドリングおよび皆既直前直後の部分食を並べて皆既日食のハイライト写真を作成した。元画像はEOS 5D Mark 3 + BORG107FL, 600mm, F5.6, ISO200で撮影した。

●アメリカ皆既日食のハイライト
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部分食
 2017.8.21 10:17:50 1/800" アストロソーラーフィルター
ダイヤモンドリング
 2017.8.21 10:19:33 1/500"
コロナ
 2017.8.21 10:21:02〜10:21:08 1/1000", 1/250", 1/60", 1/15", 1/4"
ダイヤモンドリング
 2017.8.21 10:21:35 1/500"
部分食
 2017.8.21 10:23:03 1/800" アストロソーラーフィルター

【皆既日食後の満月】
2017.9.6 皆既日食を起こした月が地球を半周して満月となった。自宅バルコニーで撮影。

●月齢15.8 2017.9.6 21:38(EOS 6D + BORG107FL 600mm, F5.6, ISO250, 1/1600秒)
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【追記 2017.10.14】
ハイライト写真は背景色の違いが見えたため合成をやりなおしました。


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アメリカ皆既日食2017:第1報 皆既日食 [日食]

2017年8月21日(日本時間8月22日;以下現地時間で表示する)アメリカを横断する皆既日食が見られた。福島星の村天文台の大野裕明先生を講師とする西鉄旅行のツアーに参加した。アメリカオレゴン州ワームスプリングスのカニータリゾート内のホテルを貸し切っての観察であった。参加者は西鉄旅行のツアーが149名、セブンカルチャーネットワークのツアーが約60名、総計200名を超えた。

【8月19日(土)】
8月19日16:55 成田発デルタ航空でポートランド空港に着いた。ここで入国手続きをして、バスでワームスプリングのカニータリゾートに向かった。現地時間8月19日(土)16:30ごろリゾート内のホテルに着いた。快晴だった。

●砂漠の中のカニータリゾート
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※撮影は8月20日で少し雲があった。

夜、ホテル前の庭で星空を撮影した。

●カニータリゾートホテルと夜空 2017.8.19 22:24(EOS 5DIII + Sigma 15mm EXDG Fisheye, ISO3200, F2.8, 20秒)
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【8月20日(日)】
明け方、冬の星座と金星が綺麗に見えていた。ホテルのバルコニーで撮影した。

●冬の星座と金星 2017.8.20 4:04(EOS 6D + Sigma 15mm EXDG Fisheye, ISO3200, F2.8, 25秒)
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日中は雲が多くて不安だったが、夜は快晴になった。今夜もホテルのバルコニーで撮影した。撮影中、明るい流星が流れた。

●天の川と流星 2017.8.20 22:41(EOS 6D + Sigma 20mm EXDG, ISO3200, F2.8, 20秒)
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【8月21日(月)】
夜が明けてきた。バルコニーに出て金星を撮影。雲一つない晴天だった。今日皆既日食だ。

●日の出前の薄明と金星 2017.8.21 5:26(EOS 6D + Sigma 20mm EXDG, ISO640, F2.8, 0.5秒)
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朝、参加者はホテル前の庭やホテルのバルコニーで日食観察の準備をした。ホテル敷地内は貸し切りだったから、庭で観察する方は前日または前々日夜に赤道儀を設定しておくことができたようだ。当方はバルコニーで観察した。バルコニーから北極星は見えないので、予定通りポーラーメーターで極軸合わせを行なった。

●カニータリゾートでの日食観察準備風景
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●カニータリゾートホテルの庭で準備する参加者
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●バルコニーに設置した撮影機材
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日食開始となる第1接触の9時6分以後しばらく快晴状態だったが、皆既に近づくにつれてベール状の薄い雲が広がってきた。第2接触の10時19分〜第3接触の10時21分の皆既日食時には薄い雲がかかってしまった。ただ非常に薄い雲だったから、観察にはほとんど影響はなかった。撮影はエクリップスナビゲーター3に任せてあったので、皆既日食のほぼ全課程を肉眼と双眼鏡で眺めていた。これまで見た皆既日食ではもっとも美しい日食だった。

●日食の全課程:連続食分撮影 2017.8.21 9:10:40〜11:40:40 (5分ごと) EOS 6D + Sigma 20mm EXDG, F4.0, ISO200, 露出 1/320秒〜1/800秒, 皆既1/3秒
e170821_SB2.jpg
●日食の全課程:トリミング
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BORG107FL, 600mm, F5.6による日食の経過を示す。ISOは200とし、撮影時刻と露出時間はエクリップスナビゲーター3上で設定した。部分食時はアストロソーラーフィルターを装着した。

●第1接触後の部分食
eclipse17_1.jpg
左:9:07:46 1/2500秒 右:9:27:47 1/2500秒
eclipse17_2.jpg
左:9:47 1/2500秒 右:10:07:47 1/2500秒
●第2接触のダイヤモンドリングと皆既日食 
eclipse17_d1.jpg
左:10:19:28 1/500秒 右:10:19:33 1/500秒
eclipse17_d2.jpg
左:10:19:35 1/500秒 右:10:19:47 1/1000秒
●コロナ
0K6A5320_8.jpg
2017.8.21 10:21:05 1/60秒
0K6A5321_8.jpg
2017.8.21 10:21:07 1/15秒
0K6A5322_3.jpg
2017.8.21 10:21:08 1/4秒
●第3接触のダイヤモンドリングと皆既日食 
eclipse17_d3.jpg
左:10:21:01 1/1000秒 右:10:21:31 1/500秒
eclipse17_d4.jpg
左:10:21:34 1/500秒 右:10:21:37 1/500秒
●第3接触後の部分食
eclipse17_3.jpg
左:10:33:39 1/2500秒 右:10:53:00 1/2500秒
eclipse17_4.jpg
左:11:13:59 1/2500秒 右:11:36:00 1/2500秒
●日食時の木漏れ日 ※ 2017.8.21 10:36:57(FinePix S1;奥さん撮影)
DSCF9082-3s.jpg
※大野先生が白い布を用意してくれていた

Prominar 850mm F9.6 + EOS 7D Mark IIでクローズアップ動画、FinePix S1とiPhone 7 plusで標準レンズ動画の予定であったが、FinePix以外は原因不明で未撮影となっていた。FinePix S1による標準レンズ動画を示す。


第二報へつづく

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アメリカ皆既日食へ出発 [日食]

本日、アメリカ皆既日食観測のため米国オレゴン州カニータリゾートへ出発する。今回準備したものをまとめてみた。

【クリップ式日食めがね】
以前作成したクリップ式日食グラスをなくしてしまうという大失態を演じ、新たに作り直した。作製方法は前回と同じである。クリップ式サングラス(藤田光学CLIP UP)の骨格に、「星ナビ」2012年6月号に付属していた「日食観察プレート」を写真のように切断してネジで接続した。これで「日食観察プレート」はすべて消費した。

●クリップ式サングラスと日食用フィルター
IMG_4472-iP7.jpg
●クリップ式日食めがね
clip_glass.jpg

【BORG107FL用フィルター】
BORG107FLの対物レンズ筒を外して、工作用紙を巻き、両面テープにアストロソーラーフィルターを張り、最後に銀色工作用紙を巻いて完成した。

●BORG107FL用アストロソーラーフィルターの作成
BORG_filter.jpg
※右下はBORG107FL用とProminar用のフィルター

●BORG107FLへのフィルター装着
IMG_4460-iP7.jpg
●太陽 2017.7.9 16:33 EOS 7D Mark II + BORG170FL, 600mm, F5.6, ISO200, 1/3200秒;アストロソーラーフィルター
1E0A7272-1.jpg

【赤道儀の設置】
カニータリゾートでVixen AP赤道儀の設置を練習してみた。

①水平だし:赤道儀を乗せる前に水平にする。
IMG_4557-iP7.jpg
②真北の確認:iPhone 7 Plusを置き、コンパスで北に向ける。現地の磁気偏角は14.76°西なので、その分西へ向ける。
IMG_3397-7D.jpg
③赤道儀を乗せる ポーラーメーターで高度44°51'34"、磁気偏角W14.76°に合わせる(実際にはそこまでの精度は設定不能)
AP_setup2.jpg
④赤道儀の固定 初めに固定してしまうと左右に動かないため、調整後に固定する。
Eclipse20170821-2.jpg

※高度は前日夜に北極星で設定しておき、当日水平だし後に赤道儀を乗せるだけにする

【撮影予定】

1. クローズアップ撮影と動画撮影
BORG107, 600mmはEOS 5DIII+エクリップスナビゲーター3で部分食、ダイヤモンドリング、コロナ、ダイヤモンドリング、部分食の一連の流れを自動撮影する。このためにLenova ideapad 110Sを購入した。Prominar 850mmはEOS 7D Mark IIで動画撮影する。

●BORG107FL600mmとProminar 850mm BORG107, 600mm+エクリップスナビゲーター3およびProminar 850mmはEOS 7D Mark IIを用いる
IMG_4710-iP7.jpg
●エクリップスナビゲーター3
EN3_1.png
●撮影設定画面
EN3_2.jpg

2. 連続食分撮影
固定撮影。Sigma 20mm EXDG + EOS 6Dで連続食分撮影を行う。もう一方はFinePix S1で動画撮影(奥さん用)の予定

●連続食分撮影
Eclipse20170821.jpg

3. 撮影風景

iPhone 7 Plusで皆既部分を中心に広角で全体の撮影風景を動画撮影する。

●iPhone 7 + 広角レンズ
IMG_3398-7d2.jpg

多数の撮影ではあるが、ほとんど自動撮影なので、皆既日食自体は双眼鏡でじっくり眼視観測するつもりだ。


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ビクセンAP赤道儀のツイン化とBORG107FL [日食]

2017年8月21日のアメリカ皆既日食が迫ってきた。今回はプロミネンスとコロナを別々の望遠レンズで撮影するよう2台持って行く準備をしている。また、先週〜今週は曇り〜雨の日が多く、星野写真も野鳥もあまり撮影出来なかった。

【5月27日(土)】
前日の金曜日とこの日の午前中は、JHQCという病院の審査を受けていた。やっと解放されて、紅雪庭でモリテン、それも大盛りを摂った (^^) 入院していた赤ちゃんは、順調に成長してこの週の初めに退院していた。しばらく我が家で過ごし、8月に函館に戻る予定である。この日の午後、娘夫婦と両家の両親6名が我が家に集まって命名式を行なった。

●紅雪庭のモリテン
IMG_4201-iP7.jpg

【5月28日(日)】
朝、自宅横の東部中央公園〜忠別川堤防を歩いた。天候はほぼ曇り。忠別川河川敷でホオジロ、東部中央公園でアカゲラを撮影できたのみ。

●東部中央公園(iPhone 7 Plus)
IMG_4204-iP7.jpg
●ホオジロ♂(EOS 5DIII + EF400mm F5.6L USM)
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●アカゲラ♂(同)
0K6A2008-8.jpg

昼、自家用車で帰る娘の夫とご両親を見送ってから、梅光軒で昼食後、前回キビタキとオオアカゲラに遇えた嵐山公園に向かった。梅光軒では野菜ラーメン・味噌を摂った(最近はまっている)。

●梅光軒の野菜ラーメン・味噌
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嵐山公園に着く手前から雨になった。駐車場でしばらく待った。ぜんぜん止む気配がない。何も撮影出来ないまま引き上げてきた。注文していたBORG107FL天体鏡筒セットが予定よりかなり早く届いた。夜、組み立ててみる。予想外に大きかったが、予想以上に軽い。カメラ接続に必要なカメラマウントホルダー【7000】が足りないのに気づき、追加注文した。

【5月30日(火)】
夜、久しぶりに晴れて月が見えた。BORG107FLで月を眼視観測、よく見える!カメラマウントホルダーがまだ届かないため、撮影はいつものProminarで行なった。

●月齢4.7 2017.5.30 20:45(EOS 5DIII + Prominar 850mm, F9.6, ISO1600, 1/100秒)
0K6A2103-8.jpg

【5月31日(水)】
BORG107FL用のカメラマウントホルダーが届いた。1.4倍テレコンバーターGR【7215】とマルチフラットナー1.08XDG【7108】を着けるとかなり長くなる。やや苦労してセット終了。バルコニーに持って行くと、月は雲の向こうに消えてしまった。

●BORG107FL天体鏡筒セット+テレコン+マルチフラットナー
IMG_4210-iP7.jpg

ビクセンAP赤道儀のバランスウェイト側にもう一つの望遠レンズを着けるように工作した。テレスコ工作工房のユニバーサルウェイト軸ユニット、ETSUMI止めネジE-6603、アイベルのCD-1微動マウント、ビクセン望遠鏡用アタッチメントプレートホルダーSX3810-05を用いた。

●バランスウェイト軸への接続部品
IMG_4222-iP7.jpg

●ビクセンAP赤道儀のツイン化完成*
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* BORG107FLはテレコンバーターとマルチフラットナーを外し、フードを縮めた状態。Prominarは500mmにした。

【6月2日(金)】
夜、雲は多く風が強かったが晴れ間に月が見えた。さっそくBORG107FLで撮ってみた。
●月齢7.7 2017.6.2 20:44(EOS 5DIII + BORG107FL, F5.6, 600mm, ISO400, 1/640秒, トリミング)
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金環日食と皆既日食の思い出 [日食]

旭川はほとんど晴れず、大雪となっている。12月19日(月)久しぶりに晴れたので美瑛のマイルドセブンの丘で夜空を撮ってきた。

●マイルドセブンの丘と夜空 2016/12/19 21:39(EOS 5DIII + Sigma15mm f2.8 EXDG fisheye, ISO2500, 20秒 LEE SOFT 3 FILTER)
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オリオン座〜くじら座〜アンドロメダ座〜ペガスス座

●マイルドセブンの丘と冬の星座 2016/12/19EOS 5DIII + Sigma15mm f2.8 EXDG fisheye, ISO1600, 30秒 LEE SOFT 3 FILTER)
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オリオン座〜ふたご座〜ぎょしゃ座〜おうし座

旭医だより2016年12月号に原稿依頼があり、「 皆既日食を見に行く」という記事を書いた。それをベースに金環日食のことも加えて我が日食遍歴をまとめておくことにした。

私は中学1年から天体観察を趣味にする「宙ボーイ」だった。出身地の帯広は快晴の日が多かったこともあり、天文イベントがあるとだいたい見ることができた。中学2年の時には、アルバイトして天体望遠鏡(ミザール85mm反射経緯台)を買った。中学3年から高校1年の時には、15cmの反射望遠鏡(反射鏡は足立光学)を作ったりもした。職についてからは、自宅を建てた時に屋上に個人用の天文台をつけて高橋製作所の16cm反射赤道儀(MT-160 + EM200)を入れた(現在は自宅周囲の光害と機材の老朽化のため撤去した)。

流星群や大彗星や月食などのイベントがあるごとに見に行ったり、星雲・星団や惑星・月を観望したりしていたのだが、こと皆既日食に限っては見たことがなかった。一度は見てみたいという希望を持ち続けていた。

【2009年7月22日 皆既日食】
2006年現在の病院に異動してから、希望時期に年に一週間の夏休みを取れるようになった。2009年7月22日、最初のチャンスがやってきた。渡嘉敷島皆既日食である(中国〜奄美〜南太平洋でみられた)。日本国内だったから、希望者が殺到して、日食ツアーは予約開始直後に受付終了となった。幸い、西鉄旅行(福岡支店)の上海郊外へのツアーが夫婦分でとれた。初めての日食ツアー参加で、150名の大ツアーだった。前日まで晴れていたのがウソのように、日食当日は雨になった。日食は見られなかったが、皆既日食の時は真っ暗になる経験をした。皆既終了直後に少し雲間から細い太陽が見えた。

●上海皆既日食:上海郊外嘉興(かしん) 2009/7/22 10:44(EOS Kiss X3 + EF-S 235mm, F5.6, 1/320秒)
IMG_0041-4.jpg

【2010年1月15日 金環日食】
2010年1月15日中国の青島で夕日の金環日食があった。天文ガイドを見ていて、名鉄観光の一泊二日の弾丸ツアーが目に止まった。ツアー直前だったが十分空きがあった。参加者10名、夫婦で参加した。冷たい風が吹いていてとても寒かった。晴れていたものの、地平線の近くに雲があって金環食になる頃には雲に隠れてしまった。少しして、雲間から金環食の赤く輝くリングが顔を出した。他のツアーの方も含め「青島の奇跡」と言い合っていた。

●夕日の青島金環食:青島 2010/1/15 17:59・17:57(EOS Kiss X3 + EF-S 250mm, F5.6, 1/60秒・1/80秒)
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【2012年5月21日 金環日食】
2012年5月21日(月)日本列島を横断する金環日食がみられた。親子3人で横浜みなとみらいのインターコンチネンタルホテルを取っていた。前日横浜は曇り。当日の予報も曇りのち雨になっていた。奥さんと娘を残して、私一人で宇都宮に移動した。5月12日当日宇都宮はほぼ快晴だった。八幡山公園で金環食の全課程を見ることができた。横浜みなとみらいに残った奥さんと娘に電話すると、雲の切れ目から奇跡的に金環食がみえたとのことだった。

●日本列島横断金環日食:宇都宮 2012/5/21 6:51〜8:31(EOS Kiss X3 + EF-S 48mm, F5.6, ISO200, 1/500秒〜1/100秒 アストロソーラーフィルター)
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【2012年11月14日 皆既日食】
2012年11月13日オーストラリア・ケアンズ皆既日食。時差が1時間しかなく日本から行きやすいこともあり、ツアーは混んでいた。晴天率の良いと思われたマリーバへ行くPTSの皆既日食ツアーはすぐにキャンセル待ちになってしまった。最終的に定員の多い星ナビ協賛クラブツーリズムのツアーに夫婦で参加することにした。観測地はキュランダ高原のアマルー。深夜、バスでアマルーに移動した。皆既日食の開始直後は曇っていた。皆既途中から、雲が切れてコロナやプロミネンスが見えはじめた。暗くなった空には星が輝く。これが初めて見た皆既日食となった。

皆既前後の撮影にND10000フィルターを着けていた。皆既のときに外すと、フィルターが厚いためフォーカスが狂うことを知らなかった。このため初めての皆既日食写真はピンぼけになった。これ以後はフォーカスの狂わないアストロソーラーフィルターのみを使うことにした。

●ケアンズ皆既日食:アマルー 2012/11/14 5:39(EOS 7D + EF 400mm, F8.0, ISO100, 1/15秒, 1/8秒, 1/5秒
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【2015年3月20日 皆既日食】
2015年3月20日北大西洋皆既日食。ほとんど北極で晴天確率も悪かったから、日食ツアーは十分空きがあった。天文ガイド協賛日通旅行のツアーに夫婦で参加した。参加者は22名だった。ノルウェー領スピッツベルゲン島に着いた時は、厚い雲が覆っていた。日食前日夜から晴れてオーロラがみられた。日食当日は薄雲がかかっていたものの、皆既日食のほぼ全課程を見ることが出来た。天候不良が不安だったが、予想外にオーロラも皆既日食も見られてラッキーだった。この時撮影した日食写真は、天文ガイド2015年5月号に掲載された。

●スピッツベルゲン島皆既日食:バレンツブルグ 2015/3/20 11:00・11:12(EOS 7D + Prominar 500mm, F5.6, ISO100, 1/5秒・1/5秒)
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【2016年3月9日 皆既日食】
2016年3月9日インドネシア皆既日食。晴天確率は良くなかったが、時差があまりなく日本から行きやすいことから、当初日食ツアーは混んでいた。ところが、1月にジャカルタでテロが発生、ツアーキャンセル者が続出した。私が参加した星ナビ協賛セブンカルチャーネットワークのツアーからも、何回か参加確認の問い合わせがきた。奥さん躊躇していたが、私はツアー会社や外務省の情報から危険性は少ないと判断して、最終的に夫婦で参加を決めた。結局、参加者は100名の大所帯だった。参加してみると、テルナテ島の地元は皆既日食で盛り上がっており、皆既日食後には、遠い日本からの来客者に対して、記念撮影を希望する者が相次いでやってきた。皆既日食自体は、薄雲ごしに見られたから良かったものの、今回も快晴でなかったのがちょっと残念だった。

●インドネシア皆既日食:テルナテ島 2016/3/9 9:53・9:54(EOD 5DIII + Prominar 850mm, F9.6, ISO100, 1秒・1/2秒)
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【2017年8月21日 皆既日食】
次回2017年8月21日、アメリカ合衆国横断皆既日食がある。ツアー参加希望者が殺到しているため、各社ともツアー予約開始直後に受付終了またはキャンセル待ちとなっている(脚注)。私たちは、天文ガイド協賛西鉄旅行のオレゴン州マドラス近郊カニータ・リゾートを予約できた。今度こそ、快晴の皆既日食を見てきたいと思っている。