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金星の太陽面通過 in 旭川 [天文]

今年2日目の年休を取っていた。1日目が5月21日の金環日食。そして2日目が今日、金星の太陽面通過だ。ただし、仕事の関係で半日だけ(まじめ!)。天気予報は曇りのち雨だったので、たぶん駄目だろうと思っていた。朝、目覚めると薄曇りながら晴れていた。第1接触の7:10に近づくにつれて、ほぼ快晴になってきた。予想は良い方に裏切られたのだ。

EOS 7D+EF100-400mm F4.5-5.6 IS USMにND10000フィルターを装着、リモートコントローラーTC-80N3を接続してベランダに設置した。ライブビューでフォーカスを合わせた。薄雲を考慮して、やや露出を多めにしてISO200、F8.0、露出1/2000秒で撮影を開始した。
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日食グラスをつけて肉眼でみると、金星は思いの外小さかったが、太陽面に侵入するにつれてはっきり見えるようになった。以下、撮影時刻と露出を示す。
●am7:12:01 1/2000秒
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●am7:17:01 1/2000秒
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●am7:28:30 1/2000秒
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●am8:00:30 1/4000秒
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●am8:30:01 1/4000秒
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●am9:00:01 1/4000秒
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●am9:30:03 1/4000秒
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●am10:00:05 1/4000秒
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●am10:30:11 1/4000秒
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●am11:00:00 1/6400秒
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●am11:30:09 1/6400秒
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●am12:00:03 1/6400秒
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この後、急激に曇ってしまい、まったく太陽は見えなくなってしまった。もう一歩で完全だったのに残念。しかし、もともと駄目かも知れなかったので、これでも十分満足(^_^)

観測開始時に金星が小さかったので、ふと思いついた。双眼鏡で見てみよう。EOS Kiss用のアストロソーラーフィルターがあるので、テープで貼った。このフィルターは撮影・直視どちらでも使えるのだ。ただし1個しかないので、もう一方はキャップで塞いでおこう(はがれると危ないので、実際はテープでがちがちに貼った)。
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私の利き目は左なので左にアストロソーラーフィルターを着けた。Canon 12x36mm IS II 5゜双眼鏡は手ぶれ防止付きで、視野がピタッと静止する。視野を静止させると、黒点のある太陽面を背景にして、真っ黒な金星が浮かび上がってきた。美しい!! とても写真では表現できない。たぶんハイビジョンでもぜんぜん及ばないと思う。100年に1回のチャンスだった。本当はこれが一番の収穫だったと思う。

【太陽面での金星の動き:追記2012/6/8、2012/6/9、2012/6/10】
1. 太陽面における金星のみかけの動き
上記の写真をPhotoshop CS5で比較(暗)合成して金星のみかけの動きを表現してみた。第2接触はam7:30の写真を用いた。それ以後は上記写真と同一で30分ごと12:00までを合成した。
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2. 太陽面における金星の実際の動き
地球の自転による日周運動のため太陽も移動していく。日の出時に太陽面の上側にみえる黒点は、南中時には右側に、日の入り時には下側にくる。太陽面で時計回りに回転するようにみえる。そこで、今回撮った写真を回転させて、黒点が同じ位置にくるようにPhotoshop CS5で比較(暗)合成してみた(ちょっと大雑把だけどね ^ ^ !)。太陽面に対する金星の実際の動きが表現される。
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3. 金星の第1接触から第2接触まで
6月6日の金星の太陽面通過の開始時は1分ごとに撮影していた。am7:10:02から2分ごとに7:30:03までの11枚をPhotoshop CS5で合成してみた。
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太陽とシマリス [天文]

天気予報はだんだん悪い方に傾いてきた。金環食を見に行く予定の横浜の当日の天候は曇りとなってしまった。しかし、太陽の撮影練習だけはしておこう。5月18日朝は晴れていたので早起きして撮影条件を決めることにした。

1.4xエクステンダーをつけるとライブビューでのフォーカス合わせが難しかった。エクステンダー不使用で撮影してトリミングしたほうが良い結果だった。EOS 7D、EF100-400mm IS USM(400mm)にPRO ND10000フィルターをつけた。種々の組み合わせを試した結果、f11で1/2500秒〜f8で1/4000秒でいいようだ。
●PRO ND10000による太陽像
F11.0 露出1/2500秒 400mm 5月18日am6:34
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F9.0 露出1/4000秒 400mm 5月18日am6:35
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5月19日(土)は曇っていた。最近かよっている旭川21世紀の森周辺に向かった。旭川21世紀の森入り口の道路脇にシマリスがいるに気づいた。ゆっくり近づいて車内から撮影した。しめしめ、逃げない!
●シマリス
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閉鎖されていた旭川21世紀の森キャンプ場の入り口が開いていた。キャンプ場内にはノビタキやアカハラが飛び交っていた。アカハラは近づくと逃げてしまうので、なかなか良い写真が撮れなかった。
●ノビタキ♀
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●アカハラ
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風連のチゴハヤブサと映画「はやぶさ/HAYABUSA」 [天文]

最近、天候不良つづきで野鳥の撮影ができなかった。どうにか撮影できたのは、曇りときどき雨一時晴れ雨だった10月1日(土)。名寄のふうれん望湖台自然公園にでかけた。もうそろそろ小鳥たちがいてもいいだろう!と思って行ったセンターハウス近くの「小鳥の池」。
【ふうれん望湖台自然公園の小鳥の池】
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Canon EOS X3 18-55mm zoom

いない。ぜんぜんいない。あきらめて車に戻ると、センターハウスのアンテナにいた。う~ん、角度悪いなぁ、動かないかなぁ。しかたない、パチッ。どうやらチゴハヤブサらしい。
【アンテナの上のチゴハヤブサ】
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Canon EOS X3 250mm zoom

10月2日(日)は雨。映画「はやぶさ/HAYABUSA」を見に行った。数々の苦難を乗り越えて小惑星イトカワからサンプルリターンを世界で初めて成し遂げたJAXAプロジェクトを「はやぶさ君の冒険日誌」*に沿って描いものだ。紹介されている数々のエピソード自体は、すでに多くの番組**、多くの本***で取り上げられている。以下、敬称は省略させていただく。監督の堤幸彦は映画「20世紀少年」で漫画のイメージ通りのキャラクターを再現していた。「はやぶさ/HAYABUSA」でもこの手法にこだわっているはずだ。JAXAのWeb siteのインタビュー記事をみると、やはり実話の「完全なコピー」を目指したと述べている。そこで、上記の番組や本で紹介されたプロジェクトメンバーと映画の俳優との対応関係を推定してみた。プロジェクトメンバー・映画での名前(俳優名)の順で示す。

 JAXA対外協力室室長:的川泰宣・的場泰弘(西田敏行)
 プロジェクトマネージャー:川口淳一郎・川渕幸一(佐野史郎)
 イオンエンジン開発:國中均・喜多修(鶴見慎吾)
 サンプラー開発:矢野創・田嶋学(山本耕史)
 カプセル開発:山田哲哉・福本哲也(マギー)
 運用スーパーバイザー:西山和孝・平山孝行(甲本雅裕)
 カメラチーム:齋藤潤・坂上健一(高嶋政宏)
 サイエンスマネージャー:吉川真・萩原理(高橋長英)

かなり似せていると思う。監督のこだわりがみえるようだ。ただし主人公の水沢恵(竹内結子)はJAXAの種々の人物をミックスしてできあがったキャラクターだ。映画のなかで「はやぶさ君の冒険日誌」を描いているので、小野瀬直美さんを意識しているのかな?福岡出身、北大卒業は架空?

* 小野瀬直美・奥平恭子「はやぶさ君の冒険日誌2010ただいま!」
** 追跡!A to Z、サイエンスZERO、コズミックフロントなど
*** 山根一眞「はやぶさの大冒険」、的川泰宣「小惑星探査機はやぶさの奇跡 挑戦と復活の2592日」、川口淳一郎「はやぶさ、そうまでして君は」

天文台「きたすばる」に行ってきた [天文]

旭川の北にある名寄市の道立サンピラーパークにあるなよろ市立天文台「きたすばる」に行ってきた。4月29日から北海道大学が設置した1.6m反射望遠鏡が一般公開されている。駐車場から天文台まではシャトルバスがでており、連休中でもあり満員だった。超新星発見で有名な佐野康男氏が1.6m反射望遠鏡「ピリカ」の説明を担当されていた。ずっとしゃべりっぱなしでたいへんだと思う。1.6m反射望遠鏡は北大の惑星観測用だが、21:30までの公開中は一般の方にも見せてくれるらしい。
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1.6m反射望遠鏡「ピリカ」、西村製作所製だ。

もう一ヶ所ある観測室には特注の50cm反射赤道儀(中央光学?)、ミード40cmシュミカセ、ペンタックス赤道儀にのった髙橋ニューロン鏡筒、髙橋EM-500赤道儀などがあり、こちらだけでも十分見応えがある(機種は記憶違いがあるかも)。
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特注の50cm反射赤道儀

展示室には名寄市立天文台の前身となった私設木原天文台の故・木原秀雄氏制作の15cm反射経緯台が置いてあった。昭和17年制作だ。
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木原秀雄氏の15cm反射経緯台

すぐ近くにコテージがあるので、今夏にはここに泊まって星像をみてみたいと思う。