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インドネシア皆既日食準備中 [日食]

2016年3月9日のインドネシア皆既日食へ出発まで2週間となった。現在の準備状況を記録しておきたい。今回はVixen AP-WM赤道儀とProminar望遠レンズのよるコロナ撮影を第1の目的として準備している。

天体望遠鏡用の赤道儀と望遠鏡の接続部分はVixenのアリガタ、アリミゾが業界標準となっている。一般的な望遠レンズの台座はVixen規格と異なっているため、そのままでは接続することができない。アリガタプレートを購入して、Prominarの三脚座を接続する必要がある。

●アリガタプレートを介したProminarの接続
junsei.jpg

Prominar標準の台座には、ファインダーやオートガイダーなどを追加する機構がない。そこでK-ASTECのプロミナー用バンドを購入した。前後バンド+ベースプレートの3点セットとマイクロフォーカスアジャスターを購入した。しかし結果的には556用バンド前(TB-P556F)、ベースプレート(TP-P556)の2点だけで十分だった。

日食遠征では日食は昼間におきるから、赤道儀の極軸合わせに極軸望遠鏡を使用することができない。Vixen AP赤道儀は、観測地の緯度、経度から極軸を合わせるポーラーメーターを接続できる。

●ポーラーメーター*とK-ASTEC556用バンド前
vixenAP1.jpg
* ポーラーメーターの注意点:地磁気の北は真の北から西側に3〜9度ずれている(磁気偏角)ため、その分東側に設定する必要がある。観測地テルナテ島の磁気偏角は東偏0.7度なので補正不要とのこと。

皆既日食時にビデオ撮影も同時に行う(FinePix S1で)ため自由雲台を取り付けた。プロミナー用バンド前とSLIK自由雲台SBH-280を接続するためETSUMI オスオス止ネジ ETM-83904を使用した。

●ETSUMI オスオス止ネジとSLIK自由雲台SBH-280
IMG_2145-iP6.jpg
●オスオス止ネジ/自由雲台の接続
vixenAP2.jpg

観測地テルナテ島テルナテ市は北緯0°47’10"、東経127°22'54"でほぼ赤道直下である。日本と時差はない。赤道儀の極軸はほぼ水平となる。皆既時の太陽はほぼ真東、高度は47.7度である。シムレーションしてみるとこんな感じになる。

●皆既日食時の赤道儀の状態
rutenate.jpg
図は星ナビ2015年12月号pp48による

薄曇りながら、やっと太陽が見えたので2月20日太陽を撮影してみた。今回はコロナ撮影を一つの目的としているため、太陽の周辺を広く撮影する必要がある。Prominar 500mm (TX-10C) + EOS 7D(APS-C)による画角とProminar 850mm (TX17-C) + EOS 5DIII(full size)による画角を比較してみた。Prominar用の太陽フィルターはアストロソーラーフィルターを用いて自作した(2015-03-15参照)。

●Prominar 500mm + EOS 7D (左)とProminar 850mm + EOS 5DIII (右)
vixenAP3.jpg

その結果、Prominar 850mm (TX17-C) + EOS 5DIIIの方が僅かに太陽が大きく、より黒点が鮮明に写ったので、後者を持って行くことにした。

●Prominar 850mm (TX17-C) + EOS 5DIIIによる画角
0K6A1174-20.jpg
●Prominar 500mm + EOS 7DとProminar 850mm + EOS 5DIIIによる太陽像の比較
sun500_850.jpg
(左)Prominar 500mm + EOS 7D, F5.6, ISO 400, 1/400" 2016/2/20 9:33
(右)Prominar 850mm + EOS 5DIII, F9.6, ISO400, 1/250" 2016/2/20 9:29

●Ziplocによる三脚に載せる台座2016-02-07参照
IMG_2170-iP6.jpg
Ziploc(特大1890mL)にL型金具を取り付けて、三脚のステーに差し込み、ナットで締めて固定。赤道儀コントローラー、USBポータブル電源(5V; SONY CP-V5A)、リモートコントローラー、太陽フィルターなどを置く。

●クリップ式日食めがね2012-05-15参照
IMG_2167-iP6.jpg

●野外蚊取りと旅行用変換プラグ
IMG_2169-iP6.jpg
現地は蚊の多い赤道直下の地域であるため野外用蚊取り線香が必要である。携帯用安全蚊取り器が品薄になっているため「おそとでノーマット」を購入した。電源はインドネシアはタイプCが必要である。

太陽撮影後、キトウシ森林公園に出かけた。遠いキクイタダキとヒガラを撮影できたのみだった。現地でfacebook仲間のmarkeeさんとMさんにお目にかかった。しばらく待っていたが何も来ないので当方だけ引き上げた。その10分後にお二人さんはクマゲラに出遭ったらしい。今度からはもう少し粘ろう。

●キクイタダキ
0K6A1236-6.jpg

0K6A1223-6.jpg

0K6A1184-6.jpg

●ヒガラ
0K6A1264-6.jpg

0K6A1313-6.jpg


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コメント 9

silverag

機材準備大変ですね、なかなかの重装備
まあ、何時でも写せるって物じゃないので、準備も楽しそうですね
by silverag (2016-02-21 14:30) 

kinda

コメントありがとうございます。この手のものは買ってみないと使えるのかどうか分からないので、情報提供の意味で詳しく書いてみました。準備しているときもワクワクしてます。
by kinda (2016-02-21 19:46) 

まっちゃん

850mm+7Dの組み合わせはどうなんでしょうね。
帰った後に鳥が出たと言うのはよくある話で、それを気にしていると帰れなくなってしまいますね。
全て運と諦めてさっさと帰ったほうが気が楽かも。^^;

by まっちゃん (2016-02-22 16:32) 

美美

凄い機材ですね!
持ち運びも大変そうですね。
でも綺麗に撮るには必要なんでしょうね^^
キクイタダキ、いつ見ても可愛いですね。
by 美美 (2016-02-22 19:06) 

kinda

〉まっちゃんさん
最近は月や太陽は850mm+7Dで撮っています。これだと太陽が大きすぎて、周囲のコロナが切れてしまいます。そこで500mm+7D(APS-C)か850mm+5D(full size)かを比較しました。「全て運と諦めてさっさと帰ったほうが気が楽かも」はその通りですね。ただ、他のバーダーの方と比べると、当方気が短い気がします ^ ^;

〉美美さん
確かに持ち運びはたいへんだと思います。ただポータブル赤道儀以外では、遠征用赤道儀として、この機種が最軽量と思います。キクイタダキは松の木の中にいて、せわしなく動き回るので撮影は大変です。
by kinda (2016-02-23 00:46) 

queso

インドネシアは日食は勿論、現地ならではの野鳥との出会いも愉しみですね。
キクイタダキ、上手に撮影されていますね。私は今季なかなかこれという写真が
撮れません。老眼が急激に進んだせいでしょうか・・・
by queso (2016-02-23 20:32) 

kinda

〉quesoさん
インドネシアでは野鳥も見てきたいです。が、ケアンズの時のように歩き回るのは治安上難しいかな。キクイタダキはやみくもにシャッター切り続けるしかないような気がします。老眼?とは関係ないと思います( ̄▽ ̄)
by kinda (2016-02-23 21:38) 

テリー

楽しみですね。
インドネシアで、皆既日食撮影ですか。
ブログを見ていて、腕に着けるタイプの蚊取り線香を見て、
私も、カワセミ撮影のために、持っていたのを、思い出し、明後日からの南米旅行用の荷物に追加しました。
後は、虫よけスプレーを買いにいかないといけません。

by テリー (2016-02-24 10:42) 

kinda

〉テリーさん
カナダ、ロシア、釧路そして南米旅行ですか、すごいですね。ウユニ湖とかマチュピチュとか一度行ってみたいです。ジカ熱の件もあるので虫よけスプレーと蚊取り線香は必須ですね。当方も虫除けスプレーも用意してありました。
by kinda (2016-02-24 17:49) 

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