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CMOSカメラによる木星・土星・火星・月;初回報告 [惑星・月]

2018年7月31日の火星の大接近までに綺麗な火星の写真を撮れるようにしたい。これに向けて機材の準備(脚注参照)と撮影、画像処理を練習している。現在もっとも大きな問題は、良いシーイングに恵まれないことで、元画像が良くないと画像処理しても細部構造は出てこない。これまでに撮影した惑星写真のうち、シーイングが比較的良かったときの写真を提示する。

木星、土星、火星の撮影機材は、望遠鏡 セレストロンEdgeHD800 (D203mm f2032mm)、ビクセンSXD2赤道儀、CMOSカメラ QHY290CまたはZWO ASI290MC、バーローレンズ テレビューPowermate 2.5x、大気分散補正装置 ZWO ADC、赤外-紫外カットフィルター ZWO IR/UVカットフィルター 1.25"である。

●冷却CMOSカメラ QHY290C
IMG_6489-iP7.jpg
12Vのポータブルバッテリーで冷却する。

画像処理は定番となっている以下のフリーソフトおよびStellaImage 8を用いた。
[FireCapture 2.5] 動画画像取得用 フィルター RGB、ファイル形式 SERまたはAVI、5000フレーム。オプション Histogram、Autoalign、Debayerをオン。
[AutoStakkert! 2.6.8または3.0.14] 動画ファイル(SERまたはAVI)から画像スタッキング Planet, Dynamic Background, Gradient, Noise Robust 6 (シーイング不良時), Stack 30%〜50%, Alignment Point Auto AP 104
[RegiStax 6] Wavelet用 スタック画像(tiff)からwavelet処理する。ここの処理がもっとも大切。惑星ではDyadic (2^n)、Gaussian。Layer処理は画像を見ながら下のバーで設定する。一旦設定したSchemeは保存しておける。Layer 1はDenoise 0.2、Layer 2〜Layer 4は下図のようにしてみた。
[StellaImage 8] wavelet処理したtiff画像を画像復元 (最大エントロピー法)する

●RegiStax 6によるWavelet処理の例;木星
Registax6.jpg

●QHY290Cによる木星 2018.5.29 23:27:35〜23:33:31
233033_D3_180621_2.jpg
FireCapture v2.5、Filter=RGB、Profile=Jupiter、Frames captured=5000、AS!2.6.8 50%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元

土星と火星は良い写真が撮れていないが参考までに示す。

●QHY290Cによる土星と火星
saturn_mars.jpg
左:土星 2018.6.7 01:25:40〜01:31:23 FireCapture v2.5、Filter=RGB、Profile=Saturn、Frames captured=5000、AS!3.0.14 40%stack, Registax6 wavelet
右:火星 2018.6.7 01:48:38〜01:49:59 FireCapture v2.5、Filter=RGB、Profile=Mars、Frames captured=5000、AS!3.0.14 40%stack, Registax6 wavelet

●CMOSカメラ ZWO ASI290MC
IMG_6495-iP7.jpg
●ZWO ASI290MCによる木星 2018.6.14 22:12:50〜22:14:30
221340_20180621-3.jpg
FireCapture v2.5、Filter=RGB、Profile=Jupiter、Frames captured=5000、AS!2.6.8 30%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元

月の撮影機材は、EdgeHD800 (D203mm f2032mm)では月全体を表示できないためBORG107FL + 1.4 xテレコン + 1.08x フラットナーを使用した。ビクセンSXD2赤道儀、CMOSカメラ ASI174MC、赤外-紫外カットフィルター ZWO IR/UVカットフィルター 1.25"である。惑星との違い部分を以下の如く設定した。
[FireCapture 2.5] フィルター UV、ファイル形式 SERまたはAVI、3000フレーム。オプション Histogram、Debayerをオン。
[AutoStakkert! 2.6.8または3.0.14] Sueface, Gradient, Noise Robust 4, Stack 20%, Alignment Point Auto AP 104
[RegiStax 6] 月面はLinear, Gaussian。

●BORG107FLとZWO ASI174MCによる月面撮影
IMG_6617-iP7.jpg

●RegiStax 6によるWavelet処理の例;月面
Registax-2.jpg

●ZWO ASI174MCによる月面 月齢8.3 2018.6.22 21:51:05〜21:54:10
moon215238_3000_20W2.jpg
FireCapture v2.5、Filter=UV、Profile=Moon、Frames captured=3000、AS!3.0.14 20%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元

6月17日今季初めて旭川市江丹別町富原にあるとみはら自然の森に行った。キビタキと子育て中のオオアカゲラを撮影してきた。

●キビタキ(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM)
0K6A1593-10.jpg

0K6A1707-10PM.jpg
●オオアカゲラ(同)
0K6A1647-10PM.jpg
●子育て中のオオアカゲラ(FinePix S1;奥さん撮影)
DSCF1360-s4.jpg


【脚注】外付けハードディスクの必要性について
CMOSカメラによる動画撮影で内蔵ハードディスクに保存していくとすぐに容量オーバーになるので、撮影後は外付けハードディスクに移しておいた方が良い。現在4TBの外付けハードディスクを使用している。量販店で13,000で購入した。


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調整中の惑星撮影機材について [天体機材]

6月に入ってから、土日は産業医更新のため東京へ行ったり、4月に亡くなったポメラニアンのボンの合同慰霊祭に参加したりしていた。6月10日(日)時間ができたので、東神楽町〜キトウシ森林公園〜外国樹種見本林〜北方野草園を回ってきた。鳥果あまりなく、ノビタキとキビタキを撮影したのみだった。

●東神楽町;6月10日(日)
1E0A8709_PM2.jpg

●ノビタキ♂;東神楽町(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM)
0K6A1527-10.jpg

0K6A1540-10.jpg
●キビタキ♂;外国樹種見本林
0K6A1494-10.jpg

火星の大接近が迫ってきた。いまだシーイングの良い日に巡り会わなくて撮影は上手くいっていないが、今回揃えた撮影機材について記録しておくことにする。

●Edge HD 800鏡筒とSXD2赤道儀
IMG_6523-iP7.jpg
セレストロンEdge HD 800鏡筒(20cm F10)およびビクセンSXD2赤道儀

●0.7倍レデューサーとTアダプター
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Edge HD 800とのセットで購入。月面や星雲などをカメラ撮影する場合に使う。

●バーティノフマスク
IMG_6527-iP7.jpg
光軸合わせおよびフォーカス合わせ用(IoSystemsInc 金属製高精度 195-238mm)

●レンズシェードとピギーバックマウント
IMG_6526-iP7.jpg
夜間の使用時水滴で曇ってしまうためレンズシェードは必須(セレストロンC6/C8用)。オートガイダーを取り付けるためピギーバックマウントを付けた。

●大容量バッテリー
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メルテック 5WAYシステム電源 ポータブルバッテリー SG-3500L。野外でこのクラスの赤道儀を使用するには大容量バッテリーが必要。

●CMOSカメラ
ZWO-iP7.jpg
上:ASI174MC 月面用 下:ASI290MC 惑星用
IMG_6534-iP7.jpg
左:ASI174MC 右:ASI290MC ZWO IR/UVカットフィルター 1.25”を着けてある。

●バーローレンズ+ADC+CMOSカメラ
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テレビュー パワーメイト2.5X + ZWO ADC (大気分散補正装置)+ ZWO ASI290MC(ZWO IR/UVカットフィルター 1.25”)

●鏡筒排気ファンS
鏡筒換気ファンS購入後、Edge HDの接眼部が補正レンズのため閉鎖していることが判明。従ってこの換気方法は無意味と思われ、現在対応を考えている。

●フリップミラーの使用
IMG_6538-iP7.jpg
2インチスリーブにフリップミラーを着け、バーローレンズ+ADC+CMOSカメラを着ける。対象を目視で導入し、光路を切り替えて撮影する。バランスの関係で、今後は別のフリップミラーに変更する予定である。


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新機種調整中で今年もノゴマに遭いに行く [野鳥]

いろいろなことがあってブログ更新が停滞していた。いろいろなことをちょっと書いてみる。

1. 惑星撮影のための新機種導入
2018年7月末に15年ぶりの火星の大接近を迎える。それまでに惑星撮影をできるようにしたい。近年、木星、土星、火星、あるいは月面撮影は、大口径シュミットカセグレン望遠鏡+CCDカメラによる動画をスタック、Wavelet処理 (医療用CT画像作成で行われるフーリエ変換に時間軸を加えた処理らしい) する手法が主流となっている。今回、Celestron EdgeHD8 (203mm, f/10)シュミットカセグレン望遠鏡、Vixen SXD2赤道儀、冷却CCDカメラ (惑星用) QHY290C、CCDカメラ (月面用) ZWO ASI174MC、大気分散補正プリズム ZAO ADC 1.25"、Tele View バーローレンズ Powermate 2.5X などを購入し試行錯誤している。今のところあまりうまくいっていない(爆) おそらくもっとも大きな原因は、CCD撮影条件と画像処理方法と思われる。とくに使用ソフトがすべてWindows用であって、1988年のMacintosh SE以来30年間ほぼMac一筋でやってきた身には、ちょっとしっくりこない。HP ProBookがスペック的に不足しているのかも知れない。うまく撮れるようになったら報告したい。

●新機種導入:EdgeHD8 + SXD2 + Powermate 2.5X + ADC + QHY290C
IMG_6455-iP7.jpg

2. プチ写真展
職場(病院)の依頼で野鳥写真や天体写真を一部の病棟の廊下に掲示することになった。キャノン PIXUS PRO-100Sで超光沢A3用紙に印刷し掲示した。これらの写真を額縁に入れて、簡単な説明文を付けて展示してもらった。

●掲示用にA3で印刷した写真
IMG_6403-iP7.jpg

3. その他
自家用車をCRVを廃車にしてVEZEL HYBRIDにした。内科学会の生涯教育講演会に出席するため東京出張した、などなど。

【5月27日(日)】
昨年はノゴマを撮影出来なかった。今年は一昨年に続き、5月27日オホーツク海側のサロマ湖畔にあるワッカ原生花園に向かった。主目的はノゴマである。8:00頃自宅を出て、10:15頃現地に到着した。奥さんとは別々に原生花園内に入った。今年はノゴマの出が悪いし、いても遠いところだった。結局、当方の400mm望遠では小さくて写りが悪かった。ノゴマに限らず、奥さんのFinePix S1の1200mm相当による写真のほうがうまく撮影されていることが多かったので、たくさん採用させていただいた (^^)

●ワッカ原生花園(EOS 5D Mark III + Sigma 14mm F1.8 DG HSM)
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●ノゴマ(Fine Pix S1;奥さん撮影)
DSCF1243-s4.jpg

DSCF1247-s4_PM.jpg

●ベニマシコ(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM)
0K6A1286-10.jpg
●ベニマシコ(Fine Pix S1;奥さん撮影)
DSCF1252-s4.jpg

●オオジュリン(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM)
0K6A1302-10.jpg

●ヒバリ(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM)
0K6A1350-10.jpg
●ヒバリ(Fine Pix S1;奥さん撮影)
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●ノビタキ♂(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM)
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●ノビタキ♂(Fine Pix S1;奥さん撮影)
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●ノビタキ♀(Fine Pix S1;奥さん撮影)
DSCF1278-s4.jpg

【5月26日(土)】
ワッカ原生花園に行った前日の写真。毎年今頃、自宅周辺にホオアカがやってくる。今年もこの日忠別川堤防に来ていた。

●ホオアカ(FinePix S1)
DSCF1202-s4.jpg

人間ドックの仕事が終わってから旭川空港〜就実の丘〜東神楽町のノビタキゾーンを回ってきた。

●ノビタキ♀(EOS 5D Mark III + EF400mm F5.6L USM)
0K6A1093-10.jpg
●ノビタキ♂(同)
0K6A1112-10.jpg

夕方、三浦綾子記念文学館のある外国樹種見本林に行ってみた。情報通りキビタキがいた。

●キビタキ(同)
0K6A1142-10.jpg

【月面撮影】
新しいシステムで月面撮影も試みているが、まだBORG107FLによる撮影の方が綺麗に撮れる(爆2)

●月齢6.0 2018.5.21 22:02 EOS 6D (HKIR) + BORG107FL, 1.4 x TELECON GR + 1.08x FLATTENER, 907mm, F8.5, ISO640, 1/250秒
IMG_4541-6d1.jpg
●月齢11.0 2018.5.26 21:16 EOS 5D Mark III + BORG107FL, 1.4 x TELECON GR + 1.08x FLATTENER, 907mm, F8.5, ISO400, 1/400秒
0K6A1188-10.jpg
●月齢14.1 2018.5.30 01:09 EOS 5D Mark III + BORG107FL, 1.4 x TELECON GR + 1.08x FLATTENER, 907mm, F8.5, ISO320, 1/640秒
0K6A1422-10.jpg


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