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火星の大接近の夜に;木星大赤斑・土星エンケ空隙・火星大シルチス [惑星・月]

今夜7月31日(火)は火星の大接近である。天気予報では曇りの旭川だが、やや靄がかかっているものの晴れている。自宅バルコニーに観測機材を設置して、とりあえず木星を見てみると、激しい大気に揺らぎでフォーカスを合わせることも困難だった。少し待つことにする。

この待機時間に、先週撮り溜めた写真をもとにブログ更新することにする。先週7月24日(火)は月面撮影したが、シーイング不良のため惑星撮影は断念した。7月26日(木)は当地としては3/5くらいの良好なシーイング。木星、土星、火星とサクサク撮影していった。いつもより随分撮影終了するのがちょっと気になった。深夜0時過ぎ、7月27日(金)になって、CMOSカメラが月面用のASI174MCのままになっていることに気づき、あわててASI290MCに変えて火星を撮影した。結局この日は火星の写真だけが唯一の成果となった。7月27日(金)夜も雲はあるものの晴れていたので木星、土星、火星を撮影できた。7月28日(土)〜7月30日(月)も晴れた。7月28日(土)はシーイング2.5/5くらいで撮影可能だったが、7月29日(日)〜7月30日(月)はシーイング1.5/5くらいで惑星撮影は断念した。そして7月31日(火)、結局シーイングは改善せず、通過する雲にも遮られた。火星の証拠写真だけで終了した。

【惑星撮影;7月27日(金)〜7月28日(土)】
7月27日(金)は東京で開催される研究会に出席するため午後から年休をとっていた。ところが台風12号の接近により研究会が急遽中止となった。紅雪亭でモリテンの昼食後、田んぼアートを見に鷹栖町へ行ってみた。夜、シーイング2.5〜3/5で木星、土星、火星を撮影した。木星面はちょうど大赤斑がこちらを向いていた。土星はカッシニ空隙の他エンケ空隙の一部が写った。火星撮影は0時を過ぎていた。7月28日(土)は休み。映画「万引き家族」を見てきた。夜、シーイング2.5/5。月、木星を撮影した。

●紅雪亭のモリテン(大盛り)
IMG_6910-iP7.jpg
●田んぼアート;鷹栖町にて
IMG_6912-iP7.jpg

●惑星撮影機材:セレストロンEdgeHD800 (D203mm f2032mm) + Vixen SXD2赤道儀 + HP ProBook + Camera=ZWO ASI290MC + Powermate 2.5x + IR cut filter + ZWO ADC
IMG_6915-iP7.jpg

●木星:中央上に大赤斑 2018.7.27 20:48:05 (301秒)
Jup_204805_D350_20180708SI2.jpg
FireCapture v2.5, Filter=RGB, Profile=Jupiter, Diameter=39.36”, ROI=1024x768
Frames captured=10000, Shutter=7.057ms, Gain=370 (61%)
AS!2.6.8 50%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元

●木星 2018.7.28 20:14:28 (122秒)
Jup_201428_D360_20180708SI2.jpg
FireCapture v2.5, Filter=RGB, Profile=Jupiter, Diameter=38.25”, ROI=1024x768
Frames captured=5000, Shutter=7.057ms, Gain=340 (56%)
AS!2.6.8 60%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元

●土星:エンケ空隙の一部が見える 2018.7.27 23:15:33 (1360秒) 
Sat_231533_D350_20180728SI2.jpg
FireCapture v2.5, Filter=RGB, Profile=Saturn, Diameter=18.03”, ROI=640x480
Frames captured=5000, Shutter=272.1ms, Gain=146 (24%)
AS!2.6.8 50%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元

●火星:南極冠、ヘラス盆地、大シルチス、サバ人の湾 2018.7.27 00:38:35 (108秒)
Mars_003835_d350_20180708-2.jpg
FireCapture v2.5, Filter=RGB, Profile=Mars, Diameter=24.21”
Limit=10000 Frames, Shutter=4.891ms, Gain=260 (43%)
AS!2.6.8 50%stack, Registax6 wavelet, PhotoShop CS5カラーバランス調整

●火星:南極冠、ヘラス盆地、大シルチス、サバ人の湾 2018.7.28 00:25:32 (108秒)
Mars_002532_D350_20180708-2.jpg
FireCapture v2.5, Filter=RGB, Profile=Mars, Diameter=24.25"
Limit=10000 Frames, Shutter=4.891ms, Gain=250 (41%)
AS!2.6.8 50%stack, Registax6 wavelet, PhotoShop CS5カラーバランス調整

【月面撮影;7月24日(火)〜7月28日(土)】

●月面撮影機材:BORG107FL + 1.4 xテレコン + 1.08x フラットナー+ビクセンSXD2赤道儀+HP ProBook + Camera=ZWO ASI174MC
IMG_6897-iP7.jpg

●月齢11.4 2018.7.24 21:50:57(180秒)
moon20180724.jpg
FireCapture v2.5, Filter=UV、Profile=Moon、Frames captured=2000、Shutter=3.054ms、Gain=38 (9%)
AS!2.6.8 30%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元、PhotoShopCS5調整

●月齢13.5 2018.7.26 23:22:42(148秒)
moon20180726.jpg
Filter=UV、Profile=Moon、Frames captured=2000、Shutter=2.450ms、Gain=40 (10%)
AS!2.6.8 20%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元、PhotoShopCS5調整

●月齢14.5 2018.7.28 01:12:35(137秒)
moon20180728.jpg
Filter=UV、Profile=Moon、Frames captured=2000、Shutter=2.150ms、Gain=40 (10%)
AS!2.6.8 20%stack, Registax6 wavelet, StellaImage8 画像復元、PhotoShopCS5調整

【7月29日(日)】
大雪山旭岳中腹の遊歩道で探鳥するも、野鳥には出遭えなかった。

●旭岳と鏡池(EOS 5D Mark III + Sigma14mm F1.8 DG HSM)
0K6A1962-10.jpg


【JM電動モトフォーカスについて】
マゼラン国際光器よりセレストロン用の電動フォーカサーを購入した。フォーカスを合わせる際にブレが軽減される。設置方法の説明書が分かりずらかったので、以下に設置の手順を記録しておく。

●JM電動モトフォーカスの部品
IMG_6885-iP7.jpg
左上のフォーカスノブはEdgeHD800に付属のもの、中央1.5mm 六角レンチは別途購入

●JM電動モトフォーカスの設置手順
①フォーカスノブ(ゴムキャップ)をはずす:きついのでマイナスドライバーで少しずつ抜いていく
motofocuser1.jpg

②プラスチックネジを取り付け、1.5mmの六角レンチで固定する (左)。台座を固定する。3本のネジのうち2本のネジで台座を固定する (右)。
motofocuser2.jpg

③電動フォーカサーの取り付け (左)(押とやや抵抗感を感じる) (右) フォーカスノブ(ゴムキャップ)を着けて手動によるフォーカス合わせも可能
motofocuser3.jpg



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コメント 5

queso

土星の輪が美しいですね。
晴天の旭岳が池に移り、何とも絵になる光景ですね^^。
しかし、鳥の姿はありませんでしたか。
此方でも暑さと鳥枯れが続きます。
お蕎麦、美味しそうですね♪新蕎麦シーズンが待ち遠しいです!

by queso (2018-08-01 07:53) 

Nori

大赤斑綺麗に出てますね。ここまで出るとやる気が出ますね。
電動フォーカーサーってあるんですね。ピント合わせ時のブレで合っているのかわからないという一番の悩みが解消されますね。
by Nori (2018-08-01 20:12) 

kinda

〉quesoさん
ありがとうございます。夏は北海道上空を偏西風が通るため、本州に比べると大気のゆらぎが強くて惑星面が綺麗に見えないことが多いようです。土星の輪の写真も、本州およびそれ以南で撮影された写真ではカッシーニ空隙の外側にある細いエンケ空隙が綺麗に写っています。今回エンケ空隙の一部が写りました。最近はぜんぜん野鳥に出逢えません。旭岳では9月になるとホシガラスがよく見られる感じです。

〉Noriさん
木星撮影時には大赤斑が反対側にあることが多かったです。これまで大赤斑が写った写真もあったのですが、シーイング不良でぼけていて提示する気にならないものでした。今回ちょうど良いタイミングで撮影できました。フォーカス合わせ時のぶれ防止に、電動フォーカサーとフェザータッチマイクロフォーカサーがあります。星ナビやfacebook情報では、後者を使用している方が多いようです。いずれも輸入販売であるため入手に時間がかかります。
by kinda (2018-08-01 22:45) 

テリー

木星の大赤斑が、綺麗に出ていますね。
お月様、綺麗に写っています。
by テリー (2018-08-02 22:04) 

kinda

〉テリーさん
今回比較的シーイングの良いときに大赤斑がこちらを向いていて比較的よく撮れました。これまで月面撮影はデジカメで多数撮影し、写りの良いものを選んでいました。月面撮影にもCMOSカメラを導入した結果、これまでより細部が安定して写るようになりました。
by kinda (2018-08-03 01:30) 

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