皆既月食2018:スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン [月食]
2018年1月31日の皆既月食は、スーパームーンかつブルームーンだったことと皆既月食で赤銅色になることからNASAがスーパー・ブルー・ブラッド・ムーンと名付けた。何としても観てみたい。天気予報ではこの日の旭川は雪。tenki.jpの予報では帯広は晴れになっていた。ところが、各種の天気予報では帯広は午後8時ごろからくずれるというものが多かった。wathernewsでは帯広よりも、オホーツク海側の遠軽町〜北見市が快晴になっていたから、観測地は遠軽町に決めた。
●皆既月食時の天気予報:wathernews
【2018年1月31日(水)】
午後3:30、外来の仕事終了後年休を取っていた。自宅に戻り、準備してあった撮影機材をCRVに積み込み奥さんと共に雪の降る旭川を出発した。遠軽町に近づくにつれて雲が薄くなってきた。ところが、午後7時ごろ遠軽に着くと、全天に雲が広がっており小雪さえぱらついていた。焦った。予報ではオホーツク海側の遠軽を含めてさらに南側に晴れの地域が多かったから、ここから北見に向かうことにした。北見に近づくにつれて晴れてきた。北見市の隣の端野町に着くと、雲一つない快晴の空に満月が輝いていた。国道333号線横に、ちょうど雪かきしてある手頃なスペースがあった。少し街明かりがあるが理想的な観測場所だ。セイコーマートのおにぎりで夕食を済ませ、機材をセットアップすると午後8:45になっていた。
●撮影機材:EOS 5D Mark III + Prominar 850mm, F9.6とEOS 6D (HKIR) + Sigma 20mm EXDG, F2.8 + Vixen AP赤道儀
北見市端野町の観測場所では部分食開始の20:48、皆既月食の21:51〜23:08、部分食終了の0:11まで月食の全経過を快晴状態で観察することができた。
●月食の全経過:2018.1.31 20:48〜24:11(EOS 5D Mark III + Prominar 850mm, F9.6)
皆既前 2018.1.31 20:48〜21:39 ISO400, 1/500秒〜1/30秒; 21:50 ISO400, 2秒
皆既中 2018.1.31 22:02〜23:08, ISO1250, 2〜4秒, ISO400, 4秒
皆既後 2018.1.31 23:12, ISO400, 4秒; 23:22〜24:11, ISO400, 1/30秒〜1/500秒
●皆既月食:開始頃 2018.1.31 22:01(Prominar 850mm, F9.6, ISO1250, 露出2秒)
●皆既月食:最大 2018.1.31 22:30(Prominar 850mm, F9.6, ISO1250, 露出3.2秒)
●皆既月食:終了頃 2018.1.31 23:07(Prominar 850mm, F9.6, ISO400, 露出4秒)
月食時月面上にみられる地球の影は、赤銅色の本影に沿って薄い青いベルト(ブルーベルト)が見られる。太陽光が地球大気オゾン層を通過時に赤色が吸収され青色が残るためだ。このブルーベルトはその色からターコイズフリンジと呼ばれる。
部分食時の3段階の露出で撮影したRAW画僧を、Photomatix Essentials(v4.1.2)を用いてHDR (High Dynamic Range)合成を行った。
●部分食縁のターコイズフリンジ 2018.1.31 23:23 ISO400, 1/30秒、1/10秒、1秒
●月食の全経過と地球の影
皆既前 2018.1.31 20:48〜21:39, 12分30秒ごと, ISO400, 1/500秒〜1/30秒
皆既時 2018.1.31 22:30, ISO1250, 4秒
皆既後 2018.1.31 23:22〜24:11, 12分30秒ごと, ISO400, 1/30秒〜1/500秒
●皆既月食中の星空 2018.1.31 22:34(EOS 6D (HKIR) + Sigma 20mm EXDG, F2.8, ISO1600, 露出120秒:4 x 30秒、StellaImage 8でコンポジット)
図説:左からしし座、皆既月食中の月、かに座M44散開星団、ふたご座。中央下こいぬ座プロキオン。
今回の皆既月食は、天気予報より実際の天気は良い方に外れて全国各地で観察できたらしい。旭川や札幌でも観られたが、雲は多かったようだ。ウィークデーの午後からの北見遠征はたいへんだったが、全経過を快晴状態で観察できたことと、皆既月食中の星空の美しさを堪能できたことで大成功だったと思う。撮影もうまくいったようだが、氷点下17℃の中ではレンズヒーターが力不足であることが判明した。旭川の自宅への帰宅は午前3:30、奥さんの運転に助けられたことに感謝する。翌日は通常勤務だった。
●皆既月食時の天気予報:wathernews
【2018年1月31日(水)】
午後3:30、外来の仕事終了後年休を取っていた。自宅に戻り、準備してあった撮影機材をCRVに積み込み奥さんと共に雪の降る旭川を出発した。遠軽町に近づくにつれて雲が薄くなってきた。ところが、午後7時ごろ遠軽に着くと、全天に雲が広がっており小雪さえぱらついていた。焦った。予報ではオホーツク海側の遠軽を含めてさらに南側に晴れの地域が多かったから、ここから北見に向かうことにした。北見に近づくにつれて晴れてきた。北見市の隣の端野町に着くと、雲一つない快晴の空に満月が輝いていた。国道333号線横に、ちょうど雪かきしてある手頃なスペースがあった。少し街明かりがあるが理想的な観測場所だ。セイコーマートのおにぎりで夕食を済ませ、機材をセットアップすると午後8:45になっていた。
●撮影機材:EOS 5D Mark III + Prominar 850mm, F9.6とEOS 6D (HKIR) + Sigma 20mm EXDG, F2.8 + Vixen AP赤道儀
北見市端野町の観測場所では部分食開始の20:48、皆既月食の21:51〜23:08、部分食終了の0:11まで月食の全経過を快晴状態で観察することができた。
●月食の全経過:2018.1.31 20:48〜24:11(EOS 5D Mark III + Prominar 850mm, F9.6)
皆既前 2018.1.31 20:48〜21:39 ISO400, 1/500秒〜1/30秒; 21:50 ISO400, 2秒
皆既中 2018.1.31 22:02〜23:08, ISO1250, 2〜4秒, ISO400, 4秒
皆既後 2018.1.31 23:12, ISO400, 4秒; 23:22〜24:11, ISO400, 1/30秒〜1/500秒
●皆既月食:開始頃 2018.1.31 22:01(Prominar 850mm, F9.6, ISO1250, 露出2秒)
●皆既月食:最大 2018.1.31 22:30(Prominar 850mm, F9.6, ISO1250, 露出3.2秒)
●皆既月食:終了頃 2018.1.31 23:07(Prominar 850mm, F9.6, ISO400, 露出4秒)
月食時月面上にみられる地球の影は、赤銅色の本影に沿って薄い青いベルト(ブルーベルト)が見られる。太陽光が地球大気オゾン層を通過時に赤色が吸収され青色が残るためだ。このブルーベルトはその色からターコイズフリンジと呼ばれる。
部分食時の3段階の露出で撮影したRAW画僧を、Photomatix Essentials(v4.1.2)を用いてHDR (High Dynamic Range)合成を行った。
●部分食縁のターコイズフリンジ 2018.1.31 23:23 ISO400, 1/30秒、1/10秒、1秒
●月食の全経過と地球の影
皆既前 2018.1.31 20:48〜21:39, 12分30秒ごと, ISO400, 1/500秒〜1/30秒
皆既時 2018.1.31 22:30, ISO1250, 4秒
皆既後 2018.1.31 23:22〜24:11, 12分30秒ごと, ISO400, 1/30秒〜1/500秒
●皆既月食中の星空 2018.1.31 22:34(EOS 6D (HKIR) + Sigma 20mm EXDG, F2.8, ISO1600, 露出120秒:4 x 30秒、StellaImage 8でコンポジット)
図説:左からしし座、皆既月食中の月、かに座M44散開星団、ふたご座。中央下こいぬ座プロキオン。
今回の皆既月食は、天気予報より実際の天気は良い方に外れて全国各地で観察できたらしい。旭川や札幌でも観られたが、雲は多かったようだ。ウィークデーの午後からの北見遠征はたいへんだったが、全経過を快晴状態で観察できたことと、皆既月食中の星空の美しさを堪能できたことで大成功だったと思う。撮影もうまくいったようだが、氷点下17℃の中ではレンズヒーターが力不足であることが判明した。旭川の自宅への帰宅は午前3:30、奥さんの運転に助けられたことに感謝する。翌日は通常勤務だった。
良かった。北海道でも見れたんですね。
しかも全工程快晴とは羨ましい限りです。
全国的に天気の悪い予報でしたが結局太平洋側は多くの場所で観測できたみたいで本当に良かったです。
しかしさすが北海道、星の数は圧倒的に多いですね。
by Nori (2018-02-03 19:15)
どれもこれも良い写真ばかりですね。
快晴の下で見られたとは羨ましい限りです。
全経過の組み写真は、本当素晴らしい。
私も雪の新潟を後にして群馬へ遠征しましたが、皆既明けから曇られてしまいました。
by ecl (2018-02-03 20:46)
さすが、素晴らしい皆既月食の写真ですね。
私も、撮影しましたが、少し、不満が残りました。
by テリー (2018-02-03 23:15)
〉Noriさん
天気予報は外れて全道的に見えたようですが、オホーツク海沿岸地域以外は雲が多くて途中から雲に隠れたらしいです。今回、皆既月食時の星野写真を撮るのが一つの目的でした。肉眼的にも満点の星の中の赤銅色の月はとても綺麗でした。Noriさんのターコイズフリンジすごいと思いました。
〉eclさん
北海道でもオホーツク海沿岸地域以外は皆既終了後雲が広がったようです。やはり雲が無いと撮影条件を整えるのが容易でした。話題のターコイズフリンジの画像処理が分からず検討中です。
〉テリーさん
ありがとうございます。赤道儀で月の動きに合わせて撮影すると一定の位置で撮れますので、合成が容易になります。また、月の場合はトリミングして同じ位置に置くと見栄えが良くなると思います。
by kinda (2018-02-03 23:38)
はるばる端野まで行った甲斐がありましたね~!
こっちは、雲でどうにもならなかった(>_<)
by やなぼー (2018-02-04 05:14)
私はこの日、東京霞ヶ関からこの月を見ました。
素敵なお写真が撮影出来て何よりです。今年は全国的に寒く雪が
多くて困りますね。
セイコーマートの店内調理のおにぎり(筋子がお気に入りです)は
なかなか美味しいですよね^^。
午前3:30帰宅で翌日は通常勤務とは・・・お疲れ様でした。
寒い日が続くので体調を崩されないようになさってください。
(かくいう私はインフルを発症してしまいました・・・)
by queso (2018-02-04 09:37)
おっ!!やっと真打ち登場ですね(^^)
なかなか公開されないので見えなかったのかという心配も。
いえいえどうしてしっかりと撮影されてましたね。
さすが本格派。素晴らしい撮影と編集に改めて感心しました(^^)
by 坂の上の蜘蛛 (2018-02-04 10:56)
〉やなぼーさん
あら〜そうですか。皆既月食はみられるも途中で雲に隠れた地域が多かったようですね。
〉quesoさん
東京スカイツリーごしの皆既月食の写真たくさんでてますね。セイコーマートのホットシェフのおにぎり愛用してます。メンタイマヨが好きです。睡眠不足を少しずつ取り戻しています (^^) 北見遠征の前日夜は夜間救急当番でインフルエンザの方がたくさんきました。お大事になさってください。
〉坂の上の蜘蛛さん
一旦公開後、画像処理して写真2枚追加しました。1枚は月食の開始から終了まで並べた写真、もう一つはターコイズフリンジの写真です。はじめPhotoShopでやっていたのですが上手くいかず、HDR合成用のPhotomatix Essentialsでそれらしくなりました。
by kinda (2018-02-05 01:56)
ターコイズフリンジというんですね。
自分の撮った写真を調べて見たら多少青っぽくなっているのがわかりました。
by まっちゃん (2018-02-05 11:43)
〉まっちゃんさん
実は知らなかったのですが、天文ガイドや星ナビの今回の月食記事でターコイズフリンジを知りました (^^) なかなかうまく表現できず、HDR合成用のPhotomatix Essentialsが3000円だったので買いました。まあまあ表現できたと思います。
by kinda (2018-02-05 16:53)
皆既になるにつれて、ややもやった空で、光害地の宇都宮でも、どんどん星が輝きを増してくるような空の変化を感じました。kindaさんの観測場所なら、きらびやかに星が輝きを増していく中、赤銅色の月も同時に見えて神秘的な光景だったことでしょう!羨ましいです。
by kurosu (2018-02-07 12:34)
天体撮影の専門家は素晴らしい月食を撮られましたね 機材が凄いです
ラスト2枚目の月食の全経過と地球の影も編成写真は素晴らしいです
by セイミー (2018-02-07 12:38)
素晴らしいお月様ですね(∩.∩)
by 美美 (2018-02-07 19:53)
〉kurosuさん
おっしゃる通り、皆既月食の最大ごろ背景の満点の星とのコラボはとても綺麗でした!旭川でも皆既時は見えたようですが、北見遠征して良かったです。
〉セイミーさん
ありがとうございます。天体撮影の専門家というほどではありません。今回、雑誌に投稿しようかなと思い、プリントしてみると画質が悪くなること判明しました。雑誌投稿にはプリント写真が必要であるため、天文雑誌に載っている方の多くが使用しているプリンターを注文してしまいました (^^)
〉美美さん
ありがとうございます。天気と気流が良かったのでうまく撮れました。
by kinda (2018-02-08 01:31)
やっぱり腕だけでなく+機材も大切ですね
月食は手持ちで・・・全くダメでした
by silverag (2018-02-09 15:54)
〉silveragさん
皆既月食のピークでは望遠レンズではF値やISOにもよりますが、2〜8秒を要するので三脚固定、できれば赤道儀追尾が望ましいと思います。
by kinda (2018-02-09 20:01)
こんにちは
皆既月食の写真感動しました。流石に、専門家(二足のわらじ?)は全く違いますね。感動しました。ありがとうございます。
我々は専門的な機材・知識・腕もないので、「写真作品撮影名目」で満足を得ました。それでも、興奮を覚えました。
by masatany (2018-02-10 15:40)
〉masatanyさん
専門家ではないんですよ。天体のほうは中学校1年からみていたのですが、天体写真は数年前にはじめました。この分野にも沢山セミプロがいて、天文雑誌に載るような写真にはまだまだ開きがあります。投稿はプリント写真なので、とりあえず最近投稿用こプリンターを購入しました(^^)
by kinda (2018-02-10 18:37)